完全な暗記方法


あと、三日でわたしははたして、たった1頁強の「愚公移山」を暗記できるのだろうか。もしも、暗記できなかったら、それはそれは酷いことになる。という想像上の必死さがまだまだ足りないのか、このままでは、どうも、「完全な暗記はできませんでしたあ。」とヘラヘラしてしまいそうです。


外国語の暗記方法で、とても印象的な方法は「科挙式・気の暗記方法」というやつです。そもそも、英語の学習方法を紹介しているサイトで見たあとに、九州の中国語学校でも、この方法は、とても有名で・・という紹介があって、その本を取り寄せて読んだことがありました。外交官の方が学生時代に中国の英語の達人からその科挙の暗記方法を学んだという説明でした。
今はその本が見つからないのですが、印象的だったのが、「朝の音読」「昼の反芻」「夜の筆写」と、そう書くと、ごく普通の学習方法ですが、それぞれが少し、ではなく、かなり変わっているのです。


音読の仕方が、本の持ち方から、声や目の開き方まで記してあり、また音読の前に眉間を開き、そこへ文字列を吸い込む。と、乱暴に書くとそんな感じの説明でした。
さらに文字列を引き出す。文字列を丹田に落とす。という、その詳細な図入りの説明が記されていました。書籍自体が英語の学習方法で、何日目に何をどうする。という説明でしたが、あまり現実的に感じなかった、「気を使った・・」やら「文字を吸い込む」というやりかたですら、藁をも、、いや毛をも縋るこの状況で、実際に試してもみます。


あとは、暗記を心がけようとするほど、細かなところが気になります。下决心の下の使い方や、挖去,挖掉,挖不平,の使い分け、的の使い方、などなど。
話はよく中国で作られている中国語のテキストにありがちな道徳的な話で、最後にいきなり神様が解決してしまう。という寓話ですが、毛沢東が演説用に書きなおした有名な文章。というと、遥か時も場所も超えた文章の力を感じます。


週末まで暗記できる確率は、8%くらい。

李白の早发白帝城 は、暗記できました。たぶん。
漢詩を暗記する方法は映像のイメージと、ゆっくり唄うように、読みあげることでしょうか。

从此测房们进入,由彼测房们离去

内容の面白さは、間違いなくこの「家有儿女」ですが、テキストは、豪華すぎでは?
と、いろいろな意味で中国っぽくないテキストです。
当面は、DVDを見ながら役者になりきります。この夫婦の演技は、本当に国際級です。




これが、内容にケチばかりつけた北京大学の500字水準のテキストです。これの、1000字、2000字水準が出れば、また買ってしまうかも?
とりあえず、大量に中国語を読めるようになりました。




これは、「漢語初級口語教程」の下巻の最後の文章です。全体がこんな感じで。文法の解説はあまりありません。練習問題も、内容理解をして、おそらくそれを口語で答えることを練習とさせているのかもしれません。テキストというより、こちらも比較的簡単な中国語の物語を読む。という感じは好きでした。




これが、「中国語がわかるリスニング」これをはたしてテキストと言えるのかわかりません。解説はほとんどなくて、中文と和訳と、いくつかの単語の意味が載っているだけです。



今日は休日なので、久々にラジオ講座を朝と昼の2回聞きました。


音読をして、暗記をしたい。まだできていないけどね。という李白漢詩はこれです。


早发白帝城 李白

朝 辞 白 帝  彩 云 间
千 里 江 陵  一 日 还
两 岸 猿 声  啼 不 住
轻 舟 已 过  万 重 山


唐代七語絶句の最高傑作だとのこと。李白の生涯のことは殆ど知りませんでした。彼が罪から貴州に流されるところで恩赦にあい、また白帝城から長江を引き返すときの詩。
李白は、成語の「只要功夫身 铁杵磨成针」をテキストで知ったときに、こんな出来すぎた話に李白が出るのか。と驚いたり、「中国語がわかるリスニング」で李白杜甫がで会っていたことを知ったり。
と、テキストを読んでいるだけでも、次第にいろいろなことが繋がってきます。

命云是奈何不得的

休日の前日というのは、たいてい帰りが遅くなってしまうのですが、それでも、明日は一日中、中国語に接することができる。
と、考えると帰りの電車も、遅い夕食や後片付けも、少しだけうわっついた気持ちになれます。


明日の予定は、いつものように、「家有儿女」和「ゆっくりだから聞きとれる!中国語がわかるリスニング」や、「漢語初級口語教程」や「漢語口語速成」や、いくつか半年間ずっとやっていたテキストも、そろそろ終わらせようと思います。
あと、発売されたラジオ講座「まいにち中国語」では、また発音も練習をしますが、水野衛子さんの「映画で身につく!応用会話」がとても楽しみです。

あと、漢詩は、いったい何から暗記をしようか。
そうだ、李白の「早发白帝城」にしよう。そうしよう。そうしよう。などと、そんなことで楽しめる人にわたしはなれました。

中国語教材の使い方


連休に、北京大学の500字水準の小説「如果没有你」(もしあながたいなければ)を読み終わりました。このシリーズの小説としての奇妙さばかり書いてきましたが、今回もまた凄いですね。スリの男性を女子大生が好きになるのですが、それは小説としてありうる話かもしれませんが、この小説の無茶ぶりは凄いものでした。
と、小説としての完成度については、大いなる疑問を持ったこのシリーズですが、当然ながら文章は平易で、それでいて各種の補語や基本的な文型に多く接することができたことは、よかったはずです。(きっと。。)あと、一気に大量の中国語文章を読むことに慣れることができました。
こちらも、機会があれば、ぱらぱらと読み返したりCDを聞き返したりしようと思います。


また、ようやく「漢語初級口語教程」の上巻が一通り最後まで終わりました。下巻も来月には終わりそうです。この北京大学の留学生用の教材の特徴は、あまり文法に重点を置いていないところでしょうか。特に会話部分は基礎的な会話で、朗読部分に、面白い素材が多いのですが、この素材を乗せることが先にあって、文法や単語を学習させるための教材作りとはなっていないところが好きです。だから、この初級の上と下を通読しても、おそらく必須な単語や文法を学び通せることにはなりません。しかしこの教材の朗読部分の教材は面白かったです。
教材のタイトルは「口語」となっているのですが、他の留学生用教材(漢語口語速成、説漢語、初級漢語)のような、口語体を覚えさせるようにもなっていない、不思議な教材でした。


大学生2年生用の教材の難しさは、わたしが今の大学2年生の第2外国語水準をなめていたのかもしれません。手元にある教材を見るに、大学2年生用教材の到達点は、中級の完成にあるようで、留学生用の初級提高編を遙かに越えたところに入っています。
実際に留学生の1年間に接する時間の多さから、一年間で分厚いテキストを数冊使うようになっているらしいですが、この日本の大学生用教材は、こんなに薄い中に見事にいろいろなものを詰め込んでいます。
両方の多くの教材を使いながら、ゆるやかに、そしておそらく確実に中国語水準をあげていくには、留学生用のテキストの方が使いやすい。とも感じたのですが、その内容については、決して日本の大学生用テキストも負けていません。
ラジオやテレビや、また文法書の執筆者として、有名な先生方が作られた素材は、読み物として面白い物が多いです。
少し変わったところでは、まだ使っていないのですが、「朋アリ遠方ヨリ来ル」は、一課がたった4行であったりするところが、相原茂先生の現実の大学2年生の状況を察しているというか、やはり個性を発揮しているところでしょうか。
で、これもまた使っていないテキストですが、関西大学編の「心に残る中国語」というテキストがあって、編集方針がまさしくタイトル通りの「心に残る中国語」を選び抜いたという点と、全ての課の練習問題の1が、テキストを背诵しろ。というところが、気に入りました。
せっかく、限られた頭脳と時間で暗記をするのなら、買い物をしたり、病院へ行くときの会話を覚えるよりも、わたしには、美しく記憶に残る文章を暗記したいので、これをきれいに背诵して、週に一回の老師に披露しようと思います。
また、単語や文型の暗記をしようかとも思ったのですが、せっかくそういう時間を作れるなら、漢詩を暗記していこうと思いました。
とこちらこそ、老師から、四声を体に馴染ませることと中国語の発音を丁寧に美しく発生する練習にいいということで、漢詩の暗記を進められました。今は殆ど知識がない漢文についても、暗記から入って漢文の知識から派生して中国語の歴史を学びたいとも思いました。
やはり試験のための学習でもなく、さらに学習のための学習ではなく、すでに中国語から何かを学びたいという気持ちが大きくなりました。


と、大学のテキストと中国の留学生用テキストを比べていますが、実際に入門や初級レベルを独学で進めるには、一般の市販テキストが一番いいのかもしれません。
今のところ、わたしのお気に入りは、やはりあまりテキストらしくない、「生活中国語」と同じ著者の「中国語実習コース」です。さらに、「中国語がわかるリスニング」も、最初に手にした時に感じた難しさは今でも、そんなには変わらないのですが、小説を何冊か読んだあとからなのか、ぎっしりの中国語を読み進んでいくことに快感すら覚えるようになりました。


それから、「家有儿女」は、よたよたと第3話に入りましたが、このテキスト一冊がどんな留学生用テキストよりも厚く、内容が濃いので、このままなんとか4話まで辿り着きたいものです。
それからそれから、「聴く中国語」にまで、なかなか手と目が回らなくなってしまったので、完全ではなくても、一通り聴いて読み通したいです。

今は、人生で一番机に向かっている時間が多い気がします。休日には一日の学習時間が10時間を超えたあたりで、集中力が落ちるというか、頭痛すらしてくるので、連休は久々に走ってみたところ、今度は疲れて机に向かえなくなってしまいました。
と、気を取り直して、また孜孜不倦地用功。