中国語の完璧な暗記とだいたいの暗記


語学の学習方法では、とにかく暗記の重要性がいろいろなところで書かれています。わたしがよく読んだ、英語学習や外国語学習のかなり古い語学の権威のような方々の書物でも、一番の共通方法とは、音読と暗記ではないでしょうか。
音読については、効果がわからないまま、ひたすら愚直に繰り返しているのですが、暗記については、「苦手だから」という言葉を理由に、本気では取り組んでいませんでした。
ただ、「漢語口語速成(基礎編)」と「説漢語」は、限りなく暗記に近くなるように、テキストを殆ど見ずに音読の練習をしました。ただ、CDの後について音読したり、限られた範囲の文章をその時間内に無理に暗記する。というところに達するのは、比較的容易ですが、これを「完璧な暗記」に達するのは、かなり難しいです。
完璧な暗記とは、「一生忘れない暗記」のことです。
口語ではなく、名文と言われる小説やエッセイなどを完璧に暗記することが、語学の修得である。というような、いくつかの古い外国語学習書の影響があるのかもしれません。


老師に、授業とは別に毎回暗記をする内容を確認して欲しい。とわたしが選んだ「心に残る中国語」のテキストを見せたところ、老師はとても喜んで、ここに書かれた作者たちの話や別の小説の話を勢いよくされました。
「オリジナルの中国語小説なんかまだ読めませんから」と、わたしは、いやいやをしたのですが、このテキストに掲載されている文章の作者たちとは「毛泽东、老舍、汪曾祺、席慕容、谢冰心、鲁迅」です。
わたしは、毛沢東魯迅の名前だけは知っていますが、恥ずかしながら他の方の名前も知らず、魯迅毛沢東の文章も読んだことがありませんでした。
毛沢東の文というのは、寓話を説明した演説文らしいのですが、この文章が冒頭にあるというのも、英語学習で使われる「リンカーンゲティスバーグ演説」風で面白いです。


とはいえ、最近は脳のいたるところがスカスカになってきている気がする状況で暗記などできるのか、という不安と、この13課を本当に一生物の暗記が出来た後を想像して、安普請の天秤にかけたところ、なんとか暗記をしてみようと決心しました。
予定では、3ヶ月の12月末までに、このテキストを全文暗記することになります。


何十年も前に書かれた文章を暗記することが、はたして中国語学習に効率的なのかは、全くわかりませんが、奇妙な好奇心と、上達心?を心に抱いて、やってみようと思います。就職や仕事で中国語を使うわけではないのに、もっともっと高いところに登りたいといいう、この欲求は何だろう。と自分でも不思議です。


あと、このテキストは大学の第2外国語学習者の2年生用テキストでもあるらしいのですが、実際に大学生が、どのようにこのテキストを使っているのか。練習問題に書かれている。「本文を全文暗記しろ」は、本当に試みているのだろうか。
と、そんな今時の大学生の第2外国語学習姿勢もたいへん気になります。