魯迅の藤野先生

再び、藤野先生の原文をテキストではなく、完全版で読んでみました。文章を読んで感動をするということは、どういうことであったのかを思い出せさせてくれました。


学生時代に魯迅の小説は読んだことがあって、また藤野先生という医学の日本人教師について書かれた文章のことも知っていました。ただ、中国語で一度読んだだけでは、思ったよりも恩師についての良き思い出を語るという体裁とはどこかが違い、奇妙な違和感を感じたくらいでした。そもそも、暗記で使っていた「心に残る中国語」に掲載された藤野先生の削除部分は大きく、作品としての肝というべき点までもが削除されていたのも残念でした。


わたしが、そのあまり単純な恩師賛歌の文章ではないな。と気になって原文を読み返したところが、逆に魯迅の藤野先生への凝縮された想いを感じさせられてしまいました。また、この作品は藤野先生のことを書いてはいるのですが、彼が住んだあの時代の中国のこと、あるいはその時代全てをも切り取られています。
改めて魯迅の文章に興味を持ってしまい、来年のわたしの目標のひとつとして、魯迅の「阿Q正伝」を原文で読む。としました。

漢詩は日本人に有名な张继の「枫桥夜泊」でした。とはいえ、日本人に有名であるということは全く知りませんでした。