朱自清 「匆匆」の和訳

こちらも、同学もといさんと同じ作品の和訳です。最初、さらっと読んだときは、あまり難しくは感じませんでした。しかし、改めて日本語にしようとすると、最初の一文からして、どう訳すのかわからなくなり、出だしをもといさんの和訳を参考にし、あとは自力で訳してみたのですが、こまごまと日本語にしづらい箇所がありました。
わたしも、これからはきちんとした作品を和訳したり、作文を書いたりしたときは、ここに置いて、日々自分のいたらなさを反省するようにします。


 ≪匆匆≫ 作者: 朱自清


  燕子去了,有再来的时候;杨柳枯了,有再青的时候;桃花谢了,有再开的时候。但是,聪明的,你告诉我,我们的日子为什么一去不复返呢?——是有人偷了他们罢:那是谁?又藏在何处呢?是他们自己逃走了罢:现在又到了哪里呢?


燕は去って行っても、また戻ってくる。柳は枯れても、また緑づく。桃の花は散っても、また咲き誇る。しかし、聡明な君よ、教えてほしい。わたしたちの過ぎ去った日々はなぜ戻らないのか。誰かがわたしたちの日々を盗んだのだろうか。だとしたら、盗んだのは誰なのか?またどこに隠したのか?それとも時間は自分たちで逃げて行ったのか。だとしたら、今はどこへ行ったのだろうか?


  我不知道他们给了我多少日子;但我的手确乎是渐渐空虚了。在默默里算着,八千多日子已经从我手中溜去;像针尖上一滴水滴在大海里,我的日子滴在时间的流里,没有声音,也没有影子。我不禁头涔涔而泪潸潸了。


時がわたしたちにどれだけの日々を与えたのかは分からない。しかしわたしの手の中は確実に段々と空いてきた。人知れず計算してみると、8千余りの日々がすでにわたしの手の中から去って行った。針の先ほどの一滴が大海に落ちるように、わたしの日々は、音もなく、影も形もなく、時間の流れに落ちていった。わたしは、はらはらと汗が流れさんさんと涙が流れるのを禁じえない。


  去的尽管去了,来的尽管来着;去来的中间,又怎样地匆匆呢?早上我起来的时候,小屋里射进两三方斜斜的太阳。太阳他有脚啊,轻轻悄悄地挪移了;我也茫茫然跟着旋转。于是——洗手的时候,日子从水盆里过去;吃饭的时候,日子从饭碗里过去;默默时,便从凝然的双眼前过去。我觉察他去的匆匆了,伸出手遮挽时,他又从遮挽着的手边过去,天鄢时,我躺在床上,他便伶伶俐俐地从我身上跨过,从我脚边飞去了。等我睁开眼和太阳再见,这算又溜走了一日。我掩着面叹息。但是新来的日子的影儿又开始在叹息里闪过了。


去るものは去り、来るものはやって来るのだが、この行き来する真中では、どんなに忙しいことだろう。朝、わたしが目覚めたとき、部屋の中には四方から斜めに陽がさす。太陽には足があるのか、軽々と移動する。わたしもぼんやりとして、太陽について回る。そしてわたしが手を洗っていると、太陽はたらいから去っていく。食事をしていると、茶碗から去っていく。黙っていると、じっとして動かない両目の前から去っていく。彼が慌ただしく去っていくように感じたので、手をのばして遮ろうとすると、彼はまた遮る手から去っていく。空は暗くなり、わたしは床に横になると、素早くわたしの体を跨いで、足下から去っていく。わたしが目をさまし、太陽と再会すると、また太陽は逃げ去って一日がすぎる。わたしは俯いて溜息をつく。しかし新しく来た日の影はまた溜息の中きらめいた。


  在逃去如飞的日子里,在千门万户的世界里的我能做些什么呢?只有徘徊罢了,只有匆匆罢了;在八千多日的匆匆里,除徘徊外,又剩些什么呢?过去的日子如轻烟,被微风吹散了,如薄雾,被初阳蒸融了;我留着些什么痕迹呢?我何曾留着像游丝样的痕迹呢?我赤裸裸来到这世界,转眼间也将赤裸裸的回去罢?但不能平的,为什么偏要白白走这一遭啊
  你聪明的,告诉我,我们的日子为什么一去不复返呢?


飛ぶようにして逃げていく日々の中、多くの家々人々がいるの世界でわたしは、何ができるのだろう?ただ行き来するだけだ。ただあわただしくしているだけだ。8千余りのあわただしさの中、行き来をする以外に、他に何が残っているのだろうか?過去の日々は薄い煙のように風に吹かれて散り、微かな霧のように朝日に照らされて蒸発していった。わたしはどんな傷痕を残したのだろうか?わたしはかげろうのような傷跡を残しただろうか?わたしは真っ裸裸でこの世界にやってきて、あっという間にまた真っ裸で戻って行くのだろうか?しかし落ち着いてはいられない。この一回きりの人生をただ無駄にはできない。
聡明な君よ、おしえてほしい。わたし達の過ぎ去った日々はなぜ戻らないのだろうか。


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