饮食男女

9月末に古本屋で大量の中国語テキストを買い占めてしまったので、ごろごろしながら、その成果を物色していて、高そうな本で、アン・リーの<飲食男女>という映画の解説テキストを見つけました。
これは、あまり多くはないわたしの中国語映画歴の中でも、特に気にいっている映画のひとつでした。しかし、中国の監督の作品は若いころの作風と、売れてからの作風が変わってしまう例が多いような気がします。これは、公開時に「恋人たちの食卓」というタイトルで上映されて、どうしてこんなタイトルにしたのだろう。と当時も思ったのですが、やはり、それはないな的なタイトルです。飲食男女が分かりづらいのなら、せめてヴィスコンティ風に「家族の食卓」でもよかったのではなかろうか。と今になっても思いながら。。
とりあえず、このテキスト全22章の一章を読んでは、映画を見て。また一章を読んでは、見る。という風に進めていったのですが、DVDといってもただ、映画をそのまま見るだけではなく、マルチメディア教材(死語のような?)というだけあって、いろいろと工夫がされています。テキストモードになって、画面がテキストだけで、そこに台詞を流したり、また役者の台詞だけでなく、中国語テキストのナレータのような方が話したり、さらにロールプレイングができたり、自分の声を記録できたりと、他にも、はっきり言って、やりすぎでしょ?というくらいの凝りようです。あとは、またゆっくりテキストを読んだり音読したりして使おうと思いますが、これはもの凄い労力を使って作られたということにも、ひどく感心できるモノです。
しかし、誰がそこまで使うのかしら?と多少無責任に感じながら、まだまだ使いたい教材です。やはり、映画やドラマだと、必然的に大量の中国語に浸かれて気持ちがいいです。


また、週末は出張で朝から夜まで、一人になる時間を作れなかったのですが、それこそ、約1年中国に仕事で出張をしていた人の話を聞いて、自分の中国語力の低さを思い知らされました。
やはり、中国語で考えて、中国語を使わざるを得ない環境に身をおく環境の違いなのかと思っていると、そういう単純なものでもなく、やはり彼からも語学の暗記方法の工夫について努力したことを聞かされました。
なぜか彼も北川達夫氏の科挙式暗記方法に凝っていたことなどで、盛り上がりました。
と、そこで、暗記中の老舍「养花」の見事な暗唱を聞かせようとしたところ、四声を直されてしまいました。まさか日本の片隅で日本人同士でこんな会話をすることになろうとは。。


ドラマの中での台詞ですが、
“吃到嘴里是酸甜苦辣,各尝各的味。”ということで、わたしは自分の好きな物語や映画を楽しみながら、もう「必死に」という言葉は、体の奥に仕舞い込みんで、中国語に関わっていきます。